そしていま、岡庭が培ってきた書籍づくりのノウハウを、40人を超えた社員たちが受け継ごうとしている。ここ数年で急速に展開された分野と書籍群を、ひとりひとりの力で、育て、新たな企画を生み出し、発信しようとしている。一般的な医学書の出版社では、原稿の執筆のみならず、企画から執筆陣の決定など「編集」の根幹に関わる作業をドクターが行うことが多い。編集者はその原稿を催促し、集め、サポートする“小僧さん”というわけだ。岡庭がその方法を変えた。編集者が考え、企画し、主導権を握る編集方法だ。編集の専門家ではないドクターの手ではなかなか実現が難しい「わかりやすく、使いやすい本」をつくるために、編集者が積極的に内容に関わって原稿を制作していく。そんな書籍のつくり方を受け継ぐのは、そう簡単なことではない。どんなコンセプトの本が広く受け入れられるのか、アイデアを練る。取材をしてニーズを読み取る。勉強方法の提案まで考える。そして、紙面レイアウトの1頁1頁、イラストのひとつひとつ、文章の“てにをは”の細部に至るまで、悩み、考え抜く。メディックメディアの編集者ひとりひとりに、その力が求められているのだ。医学という限られた世界で、ある程度のシェアを取れる本でなければつくる意味がない。産みの苦しみは大きい。任されるものは重く、人のせいにはできない。だからこそ、かたちになった本がヒットしたときの喜びは大きい。自分の考えたものが、多くの人に受け入れられた瞬間。これがこの仕事の面白さだ。その瞬間を求めて、メディックメディアの編集者はこれからも活躍を続けていくだろう。(記念誌本編は2010年2月に皆様の元へお届けします)2220XX未来へ。
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